その年齢なりの、占いの聞き方がある
「私は、運命は90%しか決められていなくて、あとの10%はいくらでも変えられると思っています」と占い師さんは言いました。
もし私が10年前に占い師さんの話を聞いていたら、たぶんいいことだけを聞いて悪いことは聞き流してしまったでしょう。
ところが今は、悪いことを言われた時に「ああ、そういうところもあるんだな、気をつけないとな」と思える余裕がでてきました。そうすると、今の歳でこの占い師さんにめぐり会えてよかったなとつくづく思います。
「事故などを未然に防いでほしい方にとっては、早いほうがいい。イヤなことを先に聞いてしまいたい、ケガもしたくないという方は、なるべく早めにお越しいただきたい」とも言っていました。
それぞれの年齢によって正しい聞き方があるから、いくつが占いに適した年齢ということは決してないらしいのです。
「ただ、過去世に関しては、ある程度年齢がいかないとダメです。影響を受けて、とんでもないことになる場合があるのです」とちょっと怖いような話もしてくれました。
たとえば、若い女性に「前世はこういう身分の高い方でした。こういうものに興味がありませんか」と聞くと、符合する点が多いらしいです。
そうすると、それで生まれ変わったみたいに、私はこういう人問だったんだと自分で酔ってしまう人がいるみたいです。
前世が貴族だったからと言って、今、急にブランド品に走ったりする人がいるという話は何だか笑ってしまいました。
しかし、これが前世占いの落とし穴でもあるんですね。
私の場合は、たとえば「財産がたまる」と出ていると、それなら財産のことはもう心配しなくていいから、あくせくお金に執着するのはやめようと考えるようにました。
しかし、一歩間違えて、浪費家になっても大丈夫と受け取ってしまうと大変なことになるんでしょうね。そういう聞き方をしてはいけないということなのだと思いました。
また、知らなくていいことは、知らないほうがうまくいくそうです。
占い師さんは、いいことでも、「すごい人と出会います」とだけしか言わないことがあるんです。
ヒントを求めると、外見上の特徴までも教えてくれます。本当は名前までわかるらしいのですが、それ以上は教えてくれないのです。
知ってしまうと、意識しすぎて、出会いにならなくなってしまうからといういことなのです。
未来を知らないからこそ、いい運命をつかめることもあるんですね。
「よくないことを言われたら、ここを出たとたんに、忘れて下さい。しょせん、占いですから」ということも言われます。
逆説的ですが、直接言われると、これがなかなか奥が深いんですよね。
「私か申し上げたことによって、相談者の運命が少しずつ変わる場合もある。それも計算に入れて、何を伝えるかを反復して考えなければいけないのです」ということでした。
相手の聞き方のクセがわかるという理由からも、継続的に会って話しているほうがいいのでしょうね。
私は、文章を書くからかもしれませんが、自分のことへの関心があるから、いくら聞いていても面白くて、もっと聞きたいと思います。
自分への関心は、私にかぎらず、すべての人にあるものだと思います。
人間は、ある年齢になると、必然的に「自分はどこから来て、どこに行くのか」を知りたくなるものです。きっとそれが占いなのでしょうね。